アートスペース子どもべやの40年の歴史の中でもかなり古い作品を発見しました。
紙芝居「おかめじまのでんせつ」です。

徳島県に「お亀磯、お亀千軒」と言われる島の伝説があります。
現在の徳島市福島本町や津田本町の沖合に昔、お亀島という小さな島があり、
大同年間(806~810年)の頃に起きた大津波により、陥没してしまったことに関する言い伝えです。
徳島市の隣、小松島市にも似たような伝説が残っているそうです。

さて、その伝説を紙芝居にしたものがしっかり残っていました。
今から約35年ほど前に共同作品として作られたものです。
私自身も作者の一人ですが、さて、当時子どもべやに来てくださっていた皆さん、
だれがどの作品を描いたか覚えていらっしゃいますか…
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図らずも、その後東北で大津波による甚大な被害があり、この話をずっと心のどこかに覚えていた私は、津波が伝説でもなんでもなく、実際に来て、人間の暮らしを奪っていくのだということに衝撃をうけました。もちろん、インドネシアなどほかの国で大きな津波の被害が起きているのは知ってはいたのですが…

この紙芝居を今の子どもべやの子どもたちに読み聞かせました。
いつも賑やかな教室の空気がしんと静まり返り、紙芝居という昔ながらの手法が現在の子どもにも受け入れられることを知りました。

小さいころに描いたことが人生に何かしらの影響を与えていて、また、30年の時を経ても、子どもの心に響く、アートの力を感じた出来事です。